実践・考察

「こどもたちが、自ら見つけ、考え、遊ぶ、余白のある環境」 をテーマに、
こどもたちを取り巻くヒト・モノ・コトの環境について研究、考察します。

子どものおしゃれで親が注意したいこと

各地でワークショップをしていると、おしゃれな服装の子どもにも出会う。
その中には、早くから他人に見られることを意識しすぎではないかという子がいたりもする。


というのは、工作や絵を描いている場面で、子どもが自分の表現をすることよりも、

おしゃれな格好をキープする、見栄えを整えるといったことが勝ってしまうのだ。

 

具体的な行動としては、
例えば、本音はやりたそうなのだけど、それ以上にのりやペンで自分の服が汚れてしまわないかを気したり、
例えば、ちょっとでも失敗をすると、その注目を逸らすためにふざけたり、ウケをねらったりして、
自分は本気ではないよ、という素振りをみせたり、
例えば、何かやるごとに「写真撮っていいよ。」と撮られることを求めてきたりする。

 

おそらく優先順位が、
自分の今の思いや等身大の成長<他人にどう見られるかなのだろう。
そんな子どもたちを見てると、

 

まだそんなに人に見られることばかり気にしなくていいんだよ。

 

と言いたくなる。

 

そもそもおしゃれだって、自分あってこそのおしゃれなのだから。
おしゃれあってこその自分というのは本末転倒だ。

 

おしゃれというのは、自分の中身を服装で表現するということで、
その中身とは、その人の好みや価値観や感性である。

 

今、子どもたちは、様々な体験を通して出会い、自分を作っている最中なのだから。
なおさら、他人からどう見られるかよりも、まず、自分の興味や好奇心を大切にしてもらいたいものである。

 

それじゃあ、なぜ、この子はこんなにも周りからかっこよくorかわいく見られることを意識するんだろう?

 

その背景は何だろう?

 

と、その子の周りの様子を見ていくと、だいたい大人の姿がある。

 

まず、子どもの服装への親の作り込みがすごいのだ。

 

大人がするような流行のデザインの子どもverだったり、
兄弟姉妹の服装が何から何まで全身お揃いだったりの服装。
そういうおしゃれな格好はたしかにかわいいし、それ自体に別に良し悪しはないのだろう。

 

ただ気をつけないとと思うのは、
そういう子どもの見た目ばかりを周りの大人たちが喜んでいると
子ども本人も、そこばかりに満足を得るようになる。
さらには、「ぼくって、わたしって、他の子よりおしゃれ」と、周りと比べて優越感を感じたりもするから、
それではこの先しんどいだろうなぁと思う。

 

別に、子どものおしゃれを否定しているのでない。
子どもの満足が「おしゃればかり」じゃなくて、「おしゃれも楽しい」なら、別に気にならないのだ。
「おしゃればかり」、「見た目ばかり」
だから気になる。

 

では、なぜ「ばかり」になるのか。
これも近くにいる親や先生の行動からわかるように思う。

 

例えば、見た目はどんなに綺麗にしていても、子どもとの会話に適当に相槌を打っているとか、

 

子ども本人のアイデアや気づきよりも、自分の常識や知識で、色や作り方に「〜しなきゃ」とmustの助言・注意ばかりするとか、

子どもの写真を、プロのカメラマンかというほど何度も何ポーズも撮るとか、

そういう大人の行動を、おしゃれな服装とセットでよく見る。

 

これらはつまり、子どもが、見た目以外の価値観の満足を共感してくれる機会が少ないということなのだろう。

 

そうなっていくと、子どものいろんな価値観の中で、見た目の重要度が高くなり、

子どもが最初に紹介したような行動にいたるというのは自然なことだ。

 

子どもと一緒におしゃれを楽しむというのは素敵なことでもあるけれど、バランスをまちがえてはいけないと思う。
子どもたち自身の思いが、他者に見られることに、のまれてしまわないように。

と、子どものおしゃれや見栄えについて書いたが、少し批判的な印象を持つ人もいるかもしれないので、

僕がおしゃれだと思った小学一年生の女の子を紹介する。(コトリエのメンバー)

 

その子は、昨年七五三のお祝いをし、家族で神社にお参りにいき記念写真を撮ったんだそう。
そのときの話で、お父さんが困りながらも、ほほえましく教えてくれたのが、彼女の服装。

 

たくさんの子ども達が着物を着て、順番に家族の写真撮影をしている中、彼女は頑として、着物を着ることを拒否したそうだ。
(お父さん・お母さんとしては、ギリギリまで、他の子ども達の着物姿を見て、娘の気が変わることを願っていたらしい)

 

なぜ着物を着たがらなかったのか。
理由は、

 

自分のお気に入りのフリースを着て、記念写真を撮りたかったから。

 

彼女はその思いを最後までゆずらず、お気に入りのフリースで七五三の写真を撮ったんだそう。
めちゃくちゃおしゃれだ。

 

着物がどうとか、フリースがどうとかいう話ではなくて、本人の気持ちと服があっているというのがものすごくかっこいい。

 

ということで、長々と書きましたが、要は、

こどもは汚れたり、失敗したり、そういうの気にせずに、よく遊んだらいいよ。

ということと

 

親は、その上で、親子のおしゃれを楽しんだり、
おしゃれや見た目以外の楽しみや喜びも親子で共感するのが大切だよな。

ということを思うのでした。

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