研修・講演

「こどもたちが、自ら見つけ、考え、遊ぶ、余白のある環境づくり」をコンセプトに、
こどもと関わる大人たちに向けた研修・講演を実施します。

内容

乳児クラスの造形遊び研修

開催日: 2022年05月27日

主催: 各保育園・こども園など

「0、1、2歳の造形遊びはどのようなことができるでしょうか?」
というように、乳児クラスの造形の研修の相談をいただく機会がよくありますので、今回は乳児クラスの造形研修の報告&紹介です。

一〜三歳頃(あくまで目安ですが)の造形遊びは、そもそも親や保育士があらたまって子どもたちと「造形遊びをしよう!」というよりも、個々の興味や関心を出発点にして、ふだんの遊びの中にあるものだろうと考えています。

ということで、今回は、そうした考えのもと、先日松戸市のひばり保育園の二歳クラスで行った研修を紹介します。
主な流れとしては、僕が講師として一斉に造形活動をするのではなく、自由保育の中にひっそり入らせてもらって、一人一人のこどもたちとやりとりしながら個々に遊びを提案しながら、メインの役所は観察・考察するというものです。

たとえば、こんな場面。
まだあまりセロハンテープを使ったことがないというある男の子は、おもむろに部屋の壁に貼ってあるメダカの写真にセロテープを貼り始めました。
それを見て、担任の先生が注意の声をかけようとしたので、優しく止めました。
先生、彼があそこにセロテープを貼ろうと思ったのはどうしてなんだろう?と理由を考えながら、ちょっと一緒に様子を見てみましょう。

すると、メダカにテープを何枚も貼り重ねる男の子。
どうやらセロテープの「透明」に注目して、メダカの上に貼っているのでした。
「あぁ、なるほど。ちょっと水の中みたいにみえますね。何考えてるんでしょうね。」
先生と僕は小声で話しながら、様子を見守ります。

すると、テープを何枚か貼りおえて、眺めたあと、今度は、貼ったテープ全部をきれいに剥がして捨てました。
その様子をみながら
「思ってた感じと違ったんですかね。それに自分で気づいたんだ。面白い。」
と先生。

活動後の振り返りでは自身の感想を素直に話してくれました。
「たぶん、いつもならそこは貼らないよーと注意をしてました。でも、そしたら彼の気づきや発見はなかったってことですよね。ひでちゃんが講座でよくいう見守るっていう感覚がちょっとわかった気がします。見守って、待った先に、ああいう姿があるんですね。」

嬉しい感想でした。
壁のメダカの写真にテープを貼って、眺めて、剥がすという一連の中には、

①「あ、いいこと思いついたぞ!」という発見があり
②それを実際に試作してみる挑戦、実験があり、
③やってみたら「思ったより良いアイデアじゃなかったな。」と自己判断があります。

何気ない遊びの中に、色々な経験が詰まっているんですよね。
と、そんなフィードバックをしました。

こんな風にして一時間、保育の中に入らせてもらってのこどもたちの気づきや行動の考察、こどもの集中に水をささない&評価しない声かけなどのポイントについて色々お話させてもらいました。
今回お試しの一回でしたが、ご好評いただき、早速来月も呼んでいただくことになりました。僕も今から楽しみです。
同じ行動であっても、保育者の捉え方によって、それはこどもの成長の姿にも、問題行動にも見えます。
こどもたちが見せてくれる様々な姿を、そのどれも成長の現れとしてキャッチできる。
そんな先生たちのアンテナを少しでも増やす手伝いの時間となれば嬉しく思います。

もし、「その研修面白そう!」「うちでもやってほしい!」
という方はお気軽にご相談くださいね。

今日もこどもたちと楽しい一日となりますように。

22:5:27研修2

 

22:5:27研修1

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