実践・考察

「こどもたちが、自ら見つけ、考え、遊ぶ、余白のある環境」 をテーマに、
こどもたちを取り巻くヒト・モノ・コトの環境について研究、考察します。

多様性を考える

多様性という言葉をよく耳にするようになりました。
多様性のある社会。
異論はありません。
ですが、最近の多様性の賛美ぶりというか、その言葉が示す世界がなんだかとてもキラキラ美しいばかりのイメージとして扱われている気がして。それはちょっと違うだろうと思っています。
なぜなら、多様であるということは、自分の物差しでは理解できないことがたくさんあるということだから。
その上で、その不一致を否定も攻撃もすることなく、それぞれのできる範囲でその価値観を想像しながら、受け入れる。

または、受け入れられなくても、隣にいる。

 

ということだと思います。(隣が指す範囲に限りはありません。)

お互いの違いについて想像することは、とてもエネルギーがいることだし、場合によっては、とてもモヤモヤすることです。

 

想像の限りを尽くしても、理解し得ないこともあるからです。

想像して、理解しあえたならそれはそれで、多様性の一つの形でしょう。
ですが、理解しえないことを理解しあえないまま、お互いに在る。それもまた多様性の形なのでしょう。
もし自分の物差しと違う物差しの人と対峙しても、そのモヤモヤを攻撃的に表現することなく、両者の合意があれば対話をする。
対話が成立しなければ、お互いに距離を保つ。
そういうムードが多様性のある社会なのかなと思います。
そう考えると多様性を目指すことは、けっこう気合いのいることだと思います。
多様な中で生まれるモヤモヤはモヤモヤのままに、それでも自分がスッキリするために相手を否定せず、自分は自分の大切なことを大切に生きていく。

それはそんなに甘くない。
自分にとっては心地よくないことも、誰かにとっては心地よいのならば、自分の中のモヤモヤを飲み込むことも含めて理想とする
多様性。
言葉に励まされる自分であるからこそ、美辞麗句に踊らされないように。

 

本質を考えられる足腰を強く

 

かつ柔らかく

 

鍛えていこうと思う秋の夜長です。

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