実践・考察

「こどもたちが、自ら見つけ、考え、遊ぶ、余白のある環境」 をテーマに、
こどもたちを取り巻くヒト・モノ・コトの環境について研究、考察します。

〜歳児や学年、発達障害といったラベルによって考えることをやめない

最近は報告が中心のフェイスブックですが、久しぶりに感じたことを。

とある園で、子どもたちとのワークショップをはじめる前、園長先生が言いました。

 

「今年のクラスはとてもヤンチャなクラスでして。発達障害の子も数人いるので、

うるさくてご迷惑をかけてしまうかもしれません。」

 

気を使ってくれたのでしょうが、僕としては、だからどうということもないので、

いえいえ、それならそれでいいんですよ、と返事をして、ワークショップをはじめました。

 

たしかに子どもたちには、全体的に落ち着きがない雰囲気がありました。
自己紹介をはじめても、みんなワイワイ、ザワザワ。
なので、そこから、少しだけいつもと伝え方を変えました。

 

すると、
みんな一斉に静かになりました。

 

「静かにしてください」

 

とは言いません。
怖い顔もしないし、大きな声もだしません。

 

それでも、子どもたちは、話を聞きたいと思えば、自分で静かにしますから。

 

自分が聞きたいと思っていないのに、静かにさせられるのは、ただの我慢です。

 

そうではなく、聞きたいと思ってもらえるように、こっちがほんの少し工夫をする。

 

子どもに我慢をさせるのか
聞きたいと思ってもらえるようにこちらが工夫するのか

言わずもがなです。

僕はこの人たちより何十年も先輩ですから。

 

そこから一時間半、みんな思い思いの工作を満喫して、むしろ「まだ足りない!

ご飯のあともやろう!明日もやろう!」と大盛り上がりで、ワークショップは終了しました。

ワークショップのあと、コーディネーターさんが園長に聞きました。

 

「どの子が、発達障害だったんですか?わたしにはわからなくて。」

みんな集中していたからでした。

 

「ほんとですね。今日はみんな集中していましたね。」

と、園長先生はただ驚くばかりの様子だったので、僕はなぜみんなが話を聞いて、

それぞれ自分の工作に夢中になっていったのか、少しだけ心がけたことを伝えさせてもらいました。

 

発達障害

その幅はとても広いし、人によって色んな大変なことがあるのだろうと思います。

そして、それを発達障害と周囲が理解することで、より本人も生活しやすく、

周りも受け入れられたりサポートしやすくなる面があるのもそうだと思います。

 

でも、例えば園や学校のクラスの中で、発達障害といわれる子どもに対して、

発達障害を前提に関わり方や物事を考える前に、もっとシンプルなスタートがあるように思います。

それは単純に、こちらが相手とコミュニケーションをしたいと思って向かうこと。

 

この子は発達障害だから、この言い方じゃら伝わらないとか、あの方法は伝わるとか、

これはできるとかあればできないとか、そういうことじゃなくて

単純に、こっちが子どもたちに話したい・伝えたい、やってみたい、と思って話しはじめたときに、

相手の表情をみて

あれ?わかりにくいかな?

と思ったら、

もっとわかりやすく伝えるのに、どうしたらいいのだろう?

と考えて

言葉をさらにやわらかくしてみたり

フレーズを短く切って強弱をつけてみたり、

身振り手振りを増やしたり、

してみる。

 

それは、相手に障害があるからじゃなくて、聞いてもらいたいから。

そうやって向かうことからはじめることが、自然だなと思っています。

 

僕の場合、
こっちが全力ではたらきかけてみて、
子どもたちがそれぞれ自分で面白そうと思えば、話を聞いてワークショップに参加しますし、
興味がなければ、話を聞かないし、参加しません。

 

それだけ。
子どもたちの判断に障害は関係ありません。
好みがあわなかっだけの話です。

 

園長や担任に
「うちのクラスは発達障害の子が多いので、話を聞けないかもしれないし、やらないかもしれません」
といわれることは、これがはじめてではなく、時々あります。

だけど、その中で一度も、場が荒れたり、ワークショップにならなかったということもありません。

と、振り返っていて、もう一つ、これに似ていて、よく聞く言い方を思い出しました。

「まだ〜歳だから」

という言い方。

 

まだ一歳なので

まだ二歳なので

まだ年少なので

まだ就学前なので

などなど、あげればきりがありませんが、

そして、そのあとに決まってつく

「だから、できないかもしれません。」

というセット。

じゃあ実際、子どもたちとのワークショップや親子講座で遊びをやってみると、そんなことは全然ない。

楽しそうに作ったり、描いたり、遊んでいる姿を見ながら思います。

 

年齢が小さいから、発達障害だからといって
話が伝わらないとか
集中がもたないとか

 

その人のことをこっちが勝手に決めなくてよかったなと。

発達の目安や障害を理解すること、それを理解した上で寄り添うことはプラスの面もあるでしょう。

ですが、〜歳児や発達障害というラベルによってその子の天井をこちらが決めてしまうことはしないように

そして、自身の話し方・伝え方の工夫や、環境づくりについて考え続けることを、やめないように

と思いました。

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