ニュース

こども環境デザイン研究所からのお知らせです。

2020.01.15

【教育フォーラム】地域を教育で埋め尽くさない スキマの作り方

フォーラム報告
代表の矢生が文教大学大学院主催のフォーラム
「隙間のつくり方〜地域を教育で埋め尽くさないために 〜」

に登壇させていただきました。
ご一緒させていただいたのは
文科省からいらした井口啓太郎さん、
北欧の文化やユースワーク研究の両角達平さん、
そして、文教大学の青山鉄兵さん、
みなさんとても刺激的なメンバーで、座談会はまだまだ話し足りないというのが登壇者も参加者もなによりの感想だったのではないでしょうか。

隙間はいるのかいらないのか
隙間がいるならどうつくるのか
そもそも誰を何を対象にした隙間なのか

そんな話をいったりきたりしながら、隙間をつくることについて考えていきました。
答えがあるものではないし、答えをだすことがフォーラムの目的ではありません。
その上で、今回の着地点といいますか、皆さんから学ばせてもらったことは
無目的の魅力の発見
でした。
また、隙間をつくるには
無目的なことに魅力を感じる価値観の魅力
にヒントがあると感じました。
具体的にどんな隙間を作るかというよりも、
そもそも、僕は、僕たちは、それぞれどんなことに嬉しくなったり、楽しくなったりするのかを自覚していること。
そしてそれをさらに育てたり、新たな嬉しさ楽しさに出会うこと。
もっといえば個々人の「豊かさ」の物差しを広げていくこと
それが翻って、違う価値観、物差しにも寛容になれたり、その寛容さが「隙間を生み出す」というよりも「隙間を容認する」ことなのかもしれません。

無目的であることや成果のないことに価値を見出すことは、不確かさ、曖昧さ、不安定さ、グレーゾーンと付き合うことでもあるのでしょう。

そのグレーゾーンを無理に白黒に分けようとすること。
分け方は、文明的に、あるいは教育的に、あるいは科学的に、あるいは医学的に、あるいは効率的に、といった視点で解消しようとすると、互いにバインドが強くなり、だから隙間がなくなるのかなと。

昔でいうならば、
花鳥風月
それらにただ美しくてうっとりすること。
それを思わず絵にしたり歌に詠んだりすること。

そこに生産性や合理性はないのでしょう。
(そういう意味を持つ場合も後には出てきたでしょうが)
だけど感動してしまう、人間の心理。
それをあらためて大切にいたいなぁと思いました。

そんなことを考えると、
実は今回の隙間づくりフォーラムの一番の鍵となっていたのは、
この会場にknock coffeeさんの美味しいコーヒーの香りが広がっていたこと
そして青山先生&青山ゼミの学生たちが準備してくれた、開けるとビールと梅酒しか入っていない(学内規則のためノンアルコール)夢の冷蔵庫が設置してあったこと

これに尽きるのかなと思います。

そんな会場をつくり、
さらに考えるきっかけの事例はこどもの遊び、公民館のコーヒーハウス、さらに北欧との対比によって見えてくる隙間
青山先生の名采配ですね。

ありがとうございました。

ニュース一覧