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こども環境デザイン研究所からのお知らせです。

2022.06.02

【研修報告】1・2歳クラスの造形研修

昨年からスタートした保育園での通年ワークショップ&職員研修
午前中はこどもたちとの実践、午後はそれをもとに職員研修というセットなのですが、今年は新たに分園の2歳クラスにも呼んでいただくことになりました。

二、三歳という時期(あくまで目安ですが)の造形的な遊びは、そもそも大人があらたまって子どもたちと造形遊びをしようというよりも、個々の興味や関心を出発点にして、ふだんの遊びと同じ感覚にあるものだろうと考えています。
ということで、今回の二歳クラスではそれをふまえまして、新たな研修の形式にチャレンジしましたので、少し報告と紹介です。
僕が講師として一斉に造形活動をするのではなく、自由保育の中にひっそり入らせてもらって、一人一人のこどもたちとやりとりしながら個々に遊びを提案しながら、メインの役所は観察・考察するというものです。

たとえば、こんな場面。
まだあまりセロハンテープを使ったことがないというある男の子は、おもむろに部屋の壁に貼ってあるメダカの写真にセロテープを貼り始めました。
それを見て、担任の先生が注意の声をかけようとしたので、優しく止めました。
先生、彼があそこにセロテープを貼ろうと思ったのはどうしてなんだろう?と理由を考えながら、ちょっと一緒に様子を見てみましょう。

すると、メダカにテープを何枚も貼り重ねる男の子。
どうやらセロテープの「透明」に注目して、メダカの上に貼っているのでした。
「あぁ、なるほど。ちょっと水の中みたいにみえますね。何考えてるんでしょうね。」
先生と僕は小声で話しながら、様子を見守ります。

すると、テープを何枚か貼りおえて、眺めたあと、今度は、貼ったテープ全部をきれいに剥がして捨てました。
その様子をみながら
「思ってた感じと違ったんですかね。それに自分で気づいたんだ。面白い。」
と先生。

活動後の振り返りでは自身の感想を素直に話してくれました。
「たぶん、いつもならそこは貼らないよーと注意をしてました。でも、そしたら彼の気づきや発見はなかったってことですよね。ひでちゃんが講座でよくいう見守るっていう感覚がちょっとわかった気がします。見守って、待った先に、ああいう姿があるんですね。」

嬉しい感想でした。
壁のメダカの写真にテープを貼って、眺めて、剥がすという一連の中には、

①「あ、いいこと思いついたぞ!」という発見があり
②それを実際に試作してみる挑戦、実験があり、
③やってみたら「思ったより良いアイデアじゃなかったな。」と自己判断があります。

何気ない遊びの中に、色々な経験が詰まっているんですよね。
と、そんなフィードバックをしました。

こんな風にして一時間、保育の中に入らせてもらってのこどもたちの気づきや行動の考察、こどもの集中に水をささない&評価しない声かけなどのポイントについて色々お話させてもらいました。
今回お試しの一回でしたが、ご好評いただき、早速来月も呼んでいただくことになりました。僕も今から楽しみです。
同じ行動であっても、保育者の捉え方によって、それはこどもの成長の姿にも、問題行動にも見えます。
こどもたちが見せてくれる様々な姿を、そのどれも成長の現れとしてキャッチできる。
そんな先生たちのアンテナを少しでも増やす手伝いの時間となれば嬉しく思います。

もし、「その研修面白そう!」「うちでもやってほしい!」
という方はお気軽にご相談くださいね。

今日もこどもたちと楽しい一日となりますように。
22:5:27研修1

22:5:27研修2

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