内容
保育士研修会「小学校に向けた準備」を保育現場は一回ちゃんと疑いたい
開催日: 2017年11月06日
主催: NPO法人東京都公立保育園研究会
今回は、浜町公民館にて代表矢生が中央区保育士研修会の講師を担当いたしました。
造形活動を切り口に、僕からお話しさせてもらったメインテーマは、
小学校の入学をゴールに、目先の結果や成果にとらわれがちなムードの中で、
いかに「結果の見えにくい育ちやプロセスをどれだけ大切にできるか」と言うことでした。
そして、そのためには、こどもの何に焦点をあて、何を基準に判断していくのか。
また、そうした保育をどう保護者に理解してもらうか。
というのを、身近な実践と事例をふまえて考えてもらいました。
みなさん熱心に遊び、考えてくださり、
「もっと話しかったし、作りたかった!」
と言ってくださいました。
またぜひ、一緒にやりましょう。
ありがとうございました!!
そしてもう一つ、今回の縁をつないでくれたのは大学時代の後輩でした。
この仕事を立ち上げた学生当時は、多くの人が「何ばかなことやってるの?」と言う反応の中で、
僕らの思いを素直に信じて、ワクワクしてくれていた後輩たちがいました。
それが、10年の時を経て、こんな風に研修に呼んでくれるなんて、感謝しかありません。
ありがとう。
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研修の中で話題になったことも少しだけ。
保育の現場では、さも大切なことのように聞こえる
「小学校に向けた準備」というのがあります。
ですが、目の前の子どもたちの生き生きした姿をみていると、
大人がはたらきかける「小学校に向けた準備」よりも、もっともっと本質的に、
「自分が楽しく生きる準備」みたいなことを、子どもたちは自分で、ちゃーんとやっているような気がしてなりません。
小学校の準備をするなら、そこはもはや、幼稚園や保育園ではなく、小学校ではないかとツッコミたくなったりもして。
僕は、「小学校に向けた準備」というのが、幼児期ならではの時間を奪ってしまわないようにと思います。
そして、
「幼児期には幼児期の育ちをたっぷり重ねていくから、小学校からは、教わる勉強の楽しさを、学校の先生、よろしく。」
と思います。
学校の先生たちも、プロなわけですから、子どもたちが楽しく学びたくなる授業、伝え方、
自分のスキルを磨くのが第一で、保育現場に求めるのは違う気がします。
そして、保育者<学校の先生の関係性になるんじゃなくて、子どもが育つことを前に対等にいこうよと思います。
こうした考え方は、これからの保育のムードではますます反していくかもしれません。
ですが、実際に話をしてみて、聞いてくださる先生たちの反応は、共感してくださる方がほとんどで。
そして、共感した上で、
でもねぇ、、
というのが正直なところ。
このでもね
を真剣にクリアしていかなきゃいけないのでしょう。そして、そのために動くのは、子どもじゃなくて、大人なのでしょう。
そう考えると、子どもの成長を項目にしてチェックする前に、大人が自分たちの課題をチェックして動くことが大切なのではと思います。
がんばりましょう。
がんばります。