実践・考察

「こどもたちが、自ら見つけ、考え、遊ぶ、余白のある環境」 をテーマに、
こどもたちを取り巻くヒト・モノ・コトの環境について研究、考察します。

わかりやすい結果やゴールに慣れない

通年で造形を担当させてもらっている、つるた保育園さんでのワークショップが、今年度最後でした。

 

最後のテーマは、夢の世界づくり。
といっても、みんなで協力して世界を作ろうというのではなく、それぞれが自由に好きなものを描き、作り、

集まれば、それは夢の世界っていえるかもね。という展開です。

 

子どもたちはみんな好きなように絵を描き、物を作り、それで遊び、また描いて、大盛り上がりでした。
この様子、簡単そうで、実はものすごいことをやっているのだと思います。

 

なぜなら、共通のゴール、着地点がないからです。
大人の研修会では、こういう展開のワークショップは、まず盛り上がりません。
戸惑ってしまうからです。
何をしたらいいのかわからなくて。
最近は、子どもの中にも戸惑う子は増えてきているように思います。

 

でも、今回のワークショップで、子どもたちは戸惑いません。
自分の好きなことをわかっているから。
自分で自分の着地点を見つけられるから。
悩む時間や失敗も当たり前のことだと思っているから。

 

みんなそれぞれに夢中で、
時々友達とつながって、離れて、
その姿がたくましく、魅力的です。
そのまま、まとめのないまとめで、それぞれに着地して、おしまい。
最後にぴったりのワークショップとなりました。

 

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こうしたまとめのない活動の価値というのは、一見わかりにくいものです。
しかし、わかりにくいことは、価値がないことではありません。

 

また、わかりやすいことに慣れすぎ、わかりやすいことだけが一つの正解のように思ってしまうと、

わかりにくいことの価値を自分で咀嚼したり、着地したりできなくなったりもします。

 

そこを、どう踏ん張れるか。

 

子どもの育つ時間において、
わかりやすい結果を出すことばかりにとらわれず、体験そのものを、プロセスを、大切に実践していくには、

それらに対する保育士の見方と咀嚼力が欠かせないのだと思います。

 

さらには、その見方を保護者に伝えることが欠かせないのだと思います。

 

保育園

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