実践・考察

「こどもたちが、自ら見つけ、考え、遊ぶ、余白のある環境」 をテーマに、
こどもたちを取り巻くヒト・モノ・コトの環境について研究、考察します。

一枚の絵から、どこまでも広がる子ども達の想像の世界

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ある保育園さんにてワークショップ&研修会をさせていただいた日のことです。
こちらので園は以前、園のホール入口に壁画を描かせてもらいまして。
今回はその絵をきっかけにして遊びました。
今日は、その中でのライブ感あふれるお絵かき遊びをリポート。

 

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思い思いの絵を描いて、壁画を舞台に、ごっこ遊びをしました。

 

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その中で、宇宙にいってみようと、ロケットを描いて、壁にはったAくん。

 

自分のロケットを眺めていると、Bくんが気づきました。

 

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「Aちゃん!大変!大変だよ!」

少し離れたところにいたAくんに向かって叫びます。

 

振り返るAくん。
「あそこじゃ、うちゅうじんの王さまに追いつかれちゃう!」

 

Bくんのその言葉をきいて、もう一度ロケットをみたAくん。
Aくんのロケットは宇宙人の乗る宇宙船の前を飛んでいました。
イメージを膨らませ、きっと色々考えたのでしょう。

 

一間おいたあと、
「ひでちゃん、離して!離して!」(自分のロケットを宇宙人から)

 

自分では届かない高さなので、僕が動かしました。
「このへん?」
確認しながら位置を離すと、
「うん。」
というので、はりました。

 

するともう一度、ロケットと宇宙人の位置をみた後、
また一間おいてAくん。

 

「やっぱりだめ!はがして!はがして!」

 

そういわれてロケットをはがす僕。
すると僕が渡すより早く、Aくんはロケットをつかみとり、自分の作っていた場所に走り出しました。

 

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そして描きます。

 

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ロケットに何かを描き足すと、
またクレヨンを置くより早くかけ出しました。

 

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走る。

 

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走る。

 

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もう一度、壁画の前に戻ってきて言いました。

 

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「ひでちゃん。宇宙人のところにやって!」
「だいじょうぶなの?」
「火!つけたの。だから、そこはって!!」

 

Aくんは、自分のロケットに4本の線で、ジェット噴射を描きたしたのでした。

 

そして
「おーい!B-!!」
Aくんは、さっき教えてくれたBくんをよびます。

 

「みてよ!じゃじゃーん!もうだいじょうぶ!火で燃せる!!」

 

そういって、二人で眺めたあと、自分たちの思い描いた世界に納得し、
次の絵を描きに戻っていきました。

 

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自分の絵を、今にも飛び上がらんばかりの(というより、ほんとに少しこきざみにジャンプしていました。)ワクワクした表情で眺めるAくん。

 

彼の頭の中では、

 

宇宙人との逃走劇が繰り広げられていたのか、

 

それともスピード勝負の後、宇宙人と友達になったのか、

 

そこにどんな世界が広がっていたのかを、
他人が、大人が、ひと目で見てわかることはほとんどありません。

 

でも、彼の世界は、
彼の豊かな物語の世界は、
たった四本の線に、間違いなく、込められていたのでした。

 

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子ども達の表現や作品は
形としてはわかりにくかったり、
また、小さければ小さいほど、技術が身についていないですから
(というよりも身体自体の経験年数そのものがまだ少ないわけだから、すごく自然なことなのですが。)
親や先生が一目みて「おぉ」と思うような出来栄えにはならないかもしれません。

 

でも、そこには確実にあるのだと思います。
思いが、
考えが、
世界が。

 

そして、そんな子ども達の描く世界のタネを、
大人が大人の経験と技術を駆使して形にしたらどうなるだろうと考えると、
例えば、人間と宇宙人の逃走劇はエイリアンみたいな映画になるかもしれないし、
例えば、宇宙船同士のスピード勝負はスターウォーズみたい映画になるかもしれないし、
もっといけば、映画の世界も飛び越えて、
現実の世界でものすごい研究や技術を生みだす、
そんな世界のタネなのかもしれません。

 

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こういう目には見えにくい子ども達の魅力を、
親や先生や周りの大人達と共有しあいながら、
これからも、子どもの育ちの時間に、丁寧に関わっていければと思います。

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