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こども環境デザイン研究所からのお知らせです。

2019.04.24

【WS報告】 東部地域療育センターぽけっと

新年度も楽しいワークショップや講座をお届けできるようスタッフ一同、がんばります。

新年度最初の報告は、名古屋市内の療育センターさん主催のお祭りにて、代表の矢生がワークショップにお呼びいただきました。

こちらは療育の施設なのですが、スタッフさんたちの思いが素敵です。

ふだんは特別支援の子どもたちとの関わりが中心ですが、だからこそ、地域の親子にも馴染みの場所になればと、お祭りでは飲食のお店に出店してもらったり、ワークショップやコンサートなど体験プログラムを企画しています。

 

こういう地域にひらいたお祭りは、多くの施設で開催されていますが、ここを素敵だなと思うのは、スタッフさんの趣味嗜好が見えることでした。

例えば、コンサートのプログラムに呼ぶのは、絵本ねこのピートの翻訳をされている大友剛さんだったり(次回の企画はミュージシャンのタテタカコさんだそうです)、

体験のプログラムでは地元のおじさん達の協力を得て、どじょう掬いや昔遊びのコーナーがあったり、造形作家さんのワークショップにかみしばいやさんが来たり、
出店してる食べ物についても、安心安全な食との出会いの一つになればとオーガニックなお店に集まってもらったり、と盛りだくさん。

 

子どもにとって何が正しいとか間違っているとかそういう主張ではなく、ただ自分たちの「好き」や「いいな」を出発点にしたお祭り。そこがいいなと思います。

 

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教育や保育の現場でこどもたちと関わっていると、
ついつい
「子どもたちにとってどうなのか?」
という理論や方法ばかりに意識がいき、熱心であればあるほど、他のことへの視野が狭くもなるようにも思います。

 

たしかに専門分野の探求は大切ですが、時として、それ以上に大切なのは、自分自身が、どんなことに喜び、楽しみを感じるか。幸せを感じるか。
そして、自分の住む地域で、街で、どんな暮らしを豊かと感じるのか。そういう価値観や美意識ではないかなと思います。

 

例えば、保育や教育の現場の朝の挨拶や歌の時間一つにしても
「どんな1日のはじまりが心地よいか」という意識があるかどうかで、保育者が話したり歌ったりする声の大きさや強弱、速さなどには違いがあらわれるように思います。

 

そういう違いは、活動や行為そのものというよりも、
もっと根底に流れている質の違いとして、
子どもたちとの何気ないやり取り、振る舞いににじみ出るもので、
こどもたちは、それを敏感に感じとっているように思います。

 

今回、こちらのイベントに参加させてもらいながら、そんなことを考え、

あらためて、自分たちの好きや興味の感覚を大切にしながら、こどもたちと向かっていこうと思うのでした。

 

療育の施設として専門性をもってこどもたちと関わりながら、仕事の枠を超え、自分たちの「好き」や「いいな」で地域と関わっていくお祭り。
皆さん和やかな雰囲気で過ごしている様子が印象的でした。
素敵なイベントに呼んでいただきありがとうございました。

 

ワクワクフェスティバル

 

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